仕方なく彼女の言い分に
従った紗奈恵は、肘を突
きながらふいに浮かんだ
疑問を口にした。
「ところで、耀は今一体
いくつなの?どう見たっ
て私達よりも年上よね?
それで敬語を使うなって
かなりおかしくない?」
それを聞いた耀は、大層
嬉しそうに振り返った。
「今月で18だよ~☆今年
卒業して水泳のインスト
ラクターになるんだ」
「えっ!?あと2ヶ月もない
じゃありませんか!!」
「そうなんだよね、折角
こうして会えたのにさ」
耀は少し寂しそうな顔を
して、途中から加わった
弥嘉に答えていた。
少し間を置いて、弥嘉は
耀が拾い忘れた紗奈恵の
疑問を再度聞いてみた。
「あの……このクラスに
とって年齢はあまり関係
ないのでしょうか?」
「そうだね~☆20人位で
少ないかもしれないけど
これで高等部の三学年が
ちゃんと揃ってるから」
「なるほど。ですから、
先程“敬語を使うな”と
仰ったのですね?」
「同じクラスにいるのに
敬語使うのはおかしいで
しょ~?あと分かってる
ならそれやめてよね☆」
耀は笑いながら、未だに
敬語を使う弥嘉に対して
すかさず釘を刺した。