「やだぁ~メチャクチャ
可愛いよこの娘☆是非と
もお持ち帰りしたい!!」


そう言うや否や耀は思い
切り弥嘉に抱きついた。

キャラメル色に染まった
癖のある短い髪が鼻をく
すぐった瞬間、弥嘉は緊
張で体を硬直させた。


『どうしましょう!!折角
抱きついて頂いたのです
から邪険にするのは流石
に忍びませんし……かと
言ってこのままでは動く
ことも出来ませんし』


心の内側でひたすら葛藤
し続ける弥嘉を見かねた
のか、紗奈恵はすぐさま
耀から彼女を引き離す。


「……耀さん、その辺に
してやってください」


半ば呆れ顔の紗奈恵は、
面倒臭そうに言った。

すると、未だ不満の残る
耀が口を尖らせた。


「ちょっとくらい良いじ
ゃんかよ~サナのケチ!!
それにあたしらそんなに
年変わんないんだから、
敬語使われんのやだぁ」


そう言うと耀はそっぽを
向いてしまった。