紗奈恵の発言を分かりか
ねた弥嘉は、彼女の袖を
引っ張って耳打ちした。
「あの、何故あのような
ことを仰ったのです?」
「大抵の人間は驚いただ
けだったけど、中には赤
面を晒したりニヤニヤし
た奴がいたのよ。今のう
ちから釘を刺しておくに
越したことはないから」
「……??????」
紗奈恵は間髪を入れずに
答えたが、弥嘉は未だに
理解出来ずにいた。
それを見ていた紗奈恵は
「まぁ弥嘉らしいけど」
と言いながら彼女の頭を
撫でていた。
***
今の発言で教室が静まり
返ったものの、それに構
うことなく女教師は2人分
の席を実にすばやく決定
していった。
「それじゃあ、石河さん
はあそこで絶賛爆睡中の
田邊の後ろね!!あと飯塚
さんは、無駄に身長が高
くって……今アホみたい
にブンブン手ぇ振ってる
相模の前で宜しく!!」
あまりにも迅速な対応で
あったため2人はすぐさま
動けなかったが、女性に
急かされようやく各々が
自分の席に着いた。