「…………………酷い」
先程の話を聞きながら、
弥嘉は自身の言葉を噛み
締めていた。
―――わざわざ転校しな
くても、ドラゴンは守れ
るんじゃないの?―――
一瞬だが紗奈恵の言葉が
弥嘉の頭をよぎった。
『恐らくあの時私が飛び
出して行ったから、さな
えちゃんは動いてくれた
のでしょう……私は仮に
も守護者になる決意をし
たから良いですが、何も
関係のない彼女まで巻き
込んでしまいました』
そう考えていると弥嘉は
自然に顔を上げていた。
『私の中途半端な決意が
皆さんを苦しめている。
もうあんな惨めな思いは
したくありませんっ!!』
あの場面で何も出来ずに
いた自分を呪いながらも
弥嘉の決意は固まった。