「ウチはこの場所で弥嘉
を精一杯応援しとるから
ちゃんと頑張りぃ!!」
「――――はい」
何とも力強い親友の声援
を受けて、弥嘉は顔を綻
ばせながらゆっくりと頷
くと、不意に隣の壱加と
視線がかち合った。
すると、壱加は全てを察
知したかの如く口端を上
げて些か乱暴に弥嘉の頭
を掻き回した。
『国家と守特構、そして
ドラゴン……現段階では
一体何が正しいのかすら
分かりません。ですが、
少なくともここにいる皆
様を守れるくらいの存在
にはなりたいです』
壱加の後押しもあってか
乱れた髪を整えつつそう
決心するなり、弥嘉は大
きく息を吸い込んだ。
「み、都ちゃん!!」
普段からは想像もつかな
い程の叫び声に、都は驚
きを隠せなかったらしく
訝しげな表情を向けた。
「――今更ですが、お帰
りなさい!!ご無事で何よ
りですっ……またこちら
にも遊びに来ますね」
しかしながら、弥嘉は構
うことなく溢れんばかり
の笑みと涙を浮かべた。
「言うの遅いわ、阿呆」
それに対して都は溜め息
混じりに答えると、弥嘉
の額を軽く小突いた。
――彼の少女、惑い苦し
みながらも目を開く――
【Chapter.11 開眼】 完