「アイツ……徹は最初っ
から、弥嘉にその機密を
調べさせるように仕向け
てたんじゃねぇの!?」
徐々に青筋を立てていく
壱加を、弥嘉は唯黙って
見つめていた。
「だってそうじゃなきゃ
弥嘉を強引に俺の守護者
にしたり、転校するよう
示唆するはずがねぇよ!!
きっと、弥嘉が“眼”を
持ってることも分かって
たんだっ!!でなきゃあの
時あんな事が言えるはず
ねぇんだからな!!」
「それは、一体どういう
ことなのですか?」
弥嘉は突然、尚も怒濤の
如くまくし立てる壱加の
言葉を途中で遮った。
その一言でようやく我に
返った壱加は、徐に口を
開いていった。
「弥嘉に会う少し前に、
徹と守護者要請について
話をしたけどその時奴は
何て言ったと思う?」
またもや怒気を含む彼の
言葉に、弥嘉はひたすら
首を横に振った。
「“龍の双眼を持つ者”
が守護者になってくれる
だろうから暫く待てとか
ぬかしやがったんだよ」
その刹那、弥嘉の両目に
僅かな痛みが走った。