「じゃあ、せめて詫びの
一つくらいしろよな」

「………………はい?」


この発言の理解に苦しむ
弥嘉だったが、“詫び”
を求められていることを
悟ると勢い良く頭を下げ
ようとした。


「それはしなくていい。
代わりに俺がこうなった
原因を洗いざらい話せ!!
てめぇに“拒否権”は、
ねぇはずだよな!?」


壱加はそう言って彼女に
鋭い視線を向けた。

それに根負けした弥嘉は
少しずつではあるがよう
やく口を開いた。


「先週末に、父に頼んで
本を送って貰いました」

「………………何で?」

「昔から割と読書が好き
なものでしたから……」

「学校の図書館に行けば
何でもあるだろ?新書も
歴史書も洋書も。確か、
3週間は借りれるよな?」

「お気に入りの本ばかり
なのでどうしても手元に
おいておきたくて……」


尚もしらを切る弥嘉に、
壱加は徐にポケットから
あるものを取り出した。


「じゃあ、これは何?」

「――――!!!!!?????」


それを見るや否や弥嘉は
目を大きく見開き言葉を
失った。