パリーーーーーーーーン
ガラガラガッシャーーン
今までの沈黙を打ち破る
ようなけたたましい音が
船内に響き渡った。
「――!!!???今、あっち
から音がしたよな!?」
「は、はい!!ガラスか何
かが砕け散ったような音
が聞こえてきました」
2人はそう言い合いながら
発生源と思しき場所まで
全速力で駆けていった。
***
目的地に到着後、壱加は
肩で息をしながら辺りを
汲まなく見回した。
「――っいねぇし!!」
「こちらにいたのは間違
いなさそうですが……」
床一面に散らばった粉々
のガラスとくっきり残る
足跡に目をやりながら、
弥嘉は小さく呟いた。
「あぁぁ~っ!!またふり
だしに戻んのかよ!!」
壱加がそう喚き散らす中
弥嘉は何を思ったのか、
突然その場に座りこむ。
「……どうした~?気分
でも悪くなったか?」
彼女の不可解な行動に、
思わず彼は首を傾げた。
その言葉に、耳を傾ける
ことなく弥嘉はただ残さ
れた足跡を眺めていた。