「大丈夫・・・?」


振り返った俺は濡れきった色っぽくなった苅谷の姿を見つめる。

苅谷は目を合わさずに、

「ごめんね・・・」

と笑った。




なんで謝ってんだよ・・・


ありがとうと言われた方がよっぽど良かった。


悲しみが募る苅谷の表情は、まだ泣いているのか、もう渇いたのか・・・雨で曇っていてよくわからなかった。