護りたい。強くなりたい。
「涙でぐちゃぐちゃじゃん(笑)雨で洗い流してあげよっか?」
苅谷の体はぐいぐいと女子たちに押され、やがてエントランスの外へと追い出された。
雨に濡れる苅谷の無気力な体は、抵抗のかけらもなかった。
足場がぐちゃぐちゃのグラウンドへと変わり、苅谷の上履きが泥にまみれる。
びちゃ・・・
土に足をとられ、バランスを崩した苅谷は土の飛沫を浴び、勢いよく転び、もう惨めとしか言いようがなかった。
「汚ーい(笑)」
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