ひとりひとりは弱いくせに、群がるとこんなにも暴挙的になれるのか。 固まるとこんなにも恐ろしくなれるのか。 心の中で愚痴ってみたが、結局自分も同じなのだと気付かされる。 周りの男子たちがいたから、俺は強いと錯覚していた。 本当は何も出来ない一男子だったんだ。 猛烈な暴言の嵐に、苅谷は再び体を震わせはじめる。 さっきとは比較できないくらいの涙を流す苅谷の姿は、それでも自分より強いと思った。