近づきたいのに、前に進めない自分がまた嫌いになった。


自分は何も強くなんかなかった。

今まで信じてきた自分は、あくまで自分の理想だったんだ。





俺が見つめる先にはゆっくりと立ち上がる苅谷の姿があった。


そんな苅谷を同情することもなく山中や、他の女子たちはわらわらと苅谷の近くを群がりはじめる。




「私、あんたの事うざいと思ってたんだよねー」

「私も!カスみたいな男子はおいといて・・・水町みたいな男子に告白されてさ・・・」


「あんた、正直自惚れてるでしょ?」