「こんなんじゃ収まんねぇよ!古谷!話つけんぞ!!」
水町は古谷の片腕を掴み、怒りを露わにし続けた。
痛む頬を押さえる古谷は、いつものようなふざけた様子はなく、ただ 痛い といった表情だけが痛々しく見えた。
半ば引きずられるようにして、古谷は何も言い返せずに連れてかれてゆく。
あまり見慣れない光景が、雷の轟音に包まれて曲がり角に消えた。
近くにいたのに何もできなかった俺は酷い罪悪感で肩を落とした。
自分もあんなように怒れただろうか
自分もあんな風に護れただろうか
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