くそっ。なにやってんだよ俺。

普通にあのまま通っていれば、こんなやり取りを防げたはずなのに・・・



不甲斐ない自分に嫌気がさし、俺は遠回りして屋上へ向かおうと、その場から消えようとした。



その時だった。


スタスタスタ...
俺のいる廊下とは逆側からたくさんの女子たちを引き連れて、先頭を歩く山中と古谷の姿が現れる。


なんてタイミングなんだろうと俺は再び苅谷たちを眺めると、苅谷は咄嗟に身を水町から引こうとしていた。



それに対し、おそらく山中たちの存在に気付いたであろう水町は苅谷の細い手首を握り、「ちょっと待って」と声を荒げる