これを逃すわけにはいかない。
俺が会長になれる確率は毛無先生に新たな毛が芽生える確率よりないに等しい。
男が会長なんてこの学校で認められるわけはないのだ。
それでも、会長補佐、せめて書記や会計の座につければこの学校における男子の権力は数段にあがるかもしれない。
無理だとわかっていてもやるしかないのだ。一度閉じた幕を二度と上がらなくしてやる。
俺の反撃は今から始まるのだ。
俺の下克上を見せてやる!
俺は体育館の舞台に垂れ下がる幕にひっそりと存在する校章を輝く眼差しで見つめると、わりと穏やかに微笑んだ