そして雨で濡れた上履きを床でキュキュッと鳴らしながら、舞台袖へと帰って行く。 その時だった。 坂田会長の体がぐらっと傾き、何かに躓くわけでもなく、バランスを崩し始めた。 会長の足元からキュッ!と一際大きく耳をつんざくような高音が響くと、その一瞬後には坂田会長は膝から崩れ落ちる。 ゴンッ!という鈍い音がさっきとはまた違った静寂の合図となる。 うつぶせに倒れた会長はスカートが潔く限界点までめくれあがっていた。