「あいてっ」

 エイルクは床に投げられ頭をさする。

「……」

 目の前の少年(だと思う)に白銀とディランは眉をひそめた。

「さてと」

 ナナンは言いながらイスに腰掛ける。

「……ジィさん。なんだこいつは」

「カーセドニック人だ」
「そんな事解ってる」

 リャムカの言葉に白銀はさらに眉間に縦じわを刻んだ。

「エイルク。マナ・グロウブを手に入れた経緯、話してもらうぞ」

「!」

 それに白銀とディランはダートの少年を凝視した。

「……」

 自分を見つめる多くの目に仕方なくエイルクは口を開いた。

「散歩してたら、たまたま見つけたんだよ」

 散歩と言えば聞こえはいいが彼はこの街から出て行こうとしていたのだ。