「……」

 その光景を一瞥しシルヴェスタは苦笑いした。

 2人きりで来た、という事は……

「腕試しだな」

 何人もの政府のストライダーが来て起動出来なかったシロモノだが、調べた結果はさほど重要な情報があるとは思えないコンピュータだったのだろう。

 普通なら下っ端と1民間人の2人だけで遺跡の発掘を任せるはずがない。

 ディランは「上司に発掘を任された!」と上機嫌だったがそんなに簡単な事ではないはずだ。

「俺の能力を信用してないのか、俺自身を信用してないのか」

 自分の宇宙船に乗り込むと伸びをしたあとエンジンを始動させた。

 居住を諦め無人となった惑星に政府が欲しい情報など無いのだろう。

 植民地として利用しようとしたため、かろうじて酸素は存在するが……

「結局、何も育たなかった」

 おそらくそういった処だろう。

 勝手に納得して彼はこの惑星を後にした。