そうは言っても、こちらが惑星に着く大体の日付は調査員たちに知らせている訳であって遅れる事は出来ない。

 星に着くまでのほんの数日間だけでまだ制御出来ているとは言えないが、暴走するような感覚は消えた。

「後は仕事が片付いてからだな」

「うむ、かなり良くなった。まだ使いこなす事は出来んだろうが、これから徐々に力の使い方も学んでゆけばよい。それにしてもこんな部屋まであるとはつくづくデカい船じゃな」

 トレーニングルームから出てきた白銀に、後ろからついて同じく出てきた老人が話しかける。

「常に鍛えておかないとどんな相手に出会うか解んねーし」

 白銀は苦笑いする。

 この船を買う時ディーラーから不審な目で見られたのは当然だがさすがに金がやばかった。

 とても個人で買うようなデカさじゃない。

 今までの仕事で貯めた金が全てこいつに持っていかれた程だ。

 部屋の造りもオーダーメイド。こんな仕様をディーラーに持ちかけた自分もある意味凄いと思った。