「それは正しいが、お前さんそれを攻撃としてしか使ってないじゃろ」

「他にあるのか?」

「お前さん、そういう認識しか無かったのかい。それは回復が本来の力なんじゃぞ」

「! そう……なのか?」

「これでもわしはエナジー・ブレインにかけては師と仰がれる程の者じゃ。お前さんのその力、わしが制御出来るようにしてやろう」

「本当か?」
「ただし……」

「金はまけろって?」
「む、そうじゃ」

 バレていた。当然だ。ここまで金を払わないで引き延ばしているのにバレないはずが無い。白銀は諦めて溜息を吐いた。

「解った。その代わりしっかり教えてくれよ」

「もちろんじゃ」

『惑星ガースノリティ』までの道程(みちのり)の間、白銀と老人はトレーニングルームでその力を学んでいた。

 ディランにバレないように取り繕(つくろ)うのに苦労したが、彼の楽天的な性格とリャムカが意外とお喋り好きという点が功を奏した。