老人は少しの陰りを見せたあと白銀に向き直った。

「お前さん。力の加減はできちょるかい?」

「!」

 白銀は真面目な表情になった老人を見てしばらく沈黙した。

 確かに最近、力が有り余っているというか暴走しそうな時がある。

「もっと大きな力に目覚めつつあるんじゃ。そのままでは自滅してしまう」

「! 大きな、力?」

 白銀はディランをチラリと見た。

 老人はそれに気がつきリャムカに視線を移す。

「リャムカ。少し彼と話をしていてくれんか」

「え、はい」

 老人と白銀は部屋から出て話を再開した。

「彼には言ってないのかね?『エナジー・ブレイン』の事は」

「普通の人間には理解出来ないだろ」

 白銀はそう言って苦笑いした。

「まあ確かにそうじゃな」
「それで、力って?」

「お前さん、その力を何だと思っとる?」

 唐突に質問される。そんな事訊かれたって……

「さあ……高次元の力だとしか」