登り切った処で灼熱の溶岩が2人を迎える。

 のぞき込むと吸い込まれそうになる。

「さすがに熱いな。ジイさん早くしろよ」

「……」

 取り出した『マナ・グロウブ』を老人はしばらく見つめた。

「! 何を……」

 老人はそれを白銀に差し出した。

 そして静かな眼差しで白銀を見上げる。

「お前さんが放り込んでくれ。わしではダメなようじゃ」

「!?」

 いきなり何を言い出すんだこのジイさん。と白銀は驚いてナナンを凝視した。

「な……っ」

 どうやら本気のようだった、少しもその手を引っ込める気配は無い。

「なに……言ってる。自分でやれよ」

「わしではだめなんじゃ、星がそう言うておる。お前さんでなければ星は納得してくれん」

「納得ってなんだ? ただ放り込むだけじゃ壊れないのか?」