ハル君の部屋はあたしが何となく想像していた部屋だった。

薄暗く、ほのかに香水の香りがした。

あたしはきゅーんと胸が締め付けられそうだった。


………同時に少し自分に嫌気を感じていた。

なんでここに来たのって…

もしかして、また傷を埋めようといているのって…。

だとしたら止めときなって。




「なーんか、お弁当食べる姿おもしろいー。」

ほんとにおもしろかった。

ハル君は何をしても言ってもおもしろい。

イヤミじゃない。

まだ少ししか会っていないのに、人柄がにじみ出ている。

でも表の表しか分からないけれど。


壁にはサーフィンをする男の人の写真が飾ってあった。

「それ俺だよ。」

ハル君が誇らしげに話した。