「……」

「本当は今、助けを求めたいじゃないのか?」




見透かされてしまった本当の気持ち




「……うん」

「簡単なことだよ…助けを求めるのは」

「どう簡単なの?」

「……助けてが瑞葵は言えないだろ?」

「……うん」




なら、と付け足してから私に手を差し出した




「怖いのは、分かってる」

「…うん」

「だから、震えてでもいいから俺に手をのせればいい」




そっと…怖いから震えて何度か引っ込めたけど




近い距離なのに、長く感じてしまった距離




「お前が滑り落ちそうになったときは、握り返してやるから」


「…うん」

「だから、助けを求める方法…忘れるな」




腕を引っ張られて、抱き締められた




私の髪に渚の手が荒く握っている




「……渚、難しいことなんだよ」