螺旋階段を降りサロンの方を見ると、扉が半分開き、扉に挟まる格好で倒れている可奈子の姿が見えた。胸にはナイフが刺さっていて血だらけだった。

 他の奴らも双子のケンとマサが呼んだんだろう、次々に集まってきた。

 俺は血だらけの可奈子を見て気持ち悪くなり、その場でうずくまった。

 すると、駆けつけたマジタニが、


「おいタイ米、とにかくここから離れて食堂に座ってろよ! 俺が水持ってきてやるよ」


 そして俺はマジタニに抱えられて食堂のイスに座った。

 すぐにキッチンに行き、コップに水を入れ持ってきてくれた。


「とにかく水飲んで落ち着けよ」


 俺とした事が、可奈子の死体を見て気持ち悪くなるなんて。それに、田中の死体じゃなくて、何で可奈子の死体なんだ? 俺はまだ可奈子を殺してないぞ。だいたい昔から、血を見るのが苦手だから殺し方は絞殺と決めていたのに。