「あなたのお母さんって、すごく優しくて強い人なのね」


「え……?」


「自分がツラくて堪らないハズなのに、あなたの事をすごく心配してた……。あんな状況の中で自分よりもあなたを優先しようとするなんて、あなたの事が本当に大切じゃなきゃ出来ないわよ」


穏やかな口調で告げられた事に戸惑いを隠し切れないまま、優しく微笑む看護師に眉を寄せて見せる。


「そんなハズないですよ……」


あたしの言葉に一瞬だけ目を見開いた看護師は、ほんの少しだけ眉を寄せながらフワリと笑った。