あたし達は、看護師に連れられて処置室に行った。


「そこに座って」


言われた通りに椅子に座ると、看護師は目を小さく見開いた。


「頭から何か被った?」


「えっと……」


「まぁちょっと……」


視線を泳がせたあたしの代わりに凪兄が言葉を濁すと、看護師は何も言わずにタオルを持って来た。


そして、それであたしの額や髪を優しく拭いてくれた。


清拭(セイシキ)用らしいタオルからは湯気が出ていて、触れた場所がすごく温かくなった。