控室に着くと、すぐに乃依さんと奈緒ちゃんが一緒に出て行った。


「……希咲ちゃん。……っ、ごめんなさい……」


涙目で謝る朋子に、必死に微笑んで見せる。


その笑みに力は無かったとは思うけど、彼女が謝る必要なんて無いんだから…。


「朋子が謝る必要なんてないじゃん」


何とかいつもの口調で話しながらも、声が震えているのがわかる。


「……っ!でも……あたしがもっと早く来てたら、もしかしたら……」


朋子の瞳から、一筋の涙が零れ落ちた。