「希咲ちゃん、警察に連絡してもイイよね?」


そう訊いた店長は、既にこの状況を理解していたみたい。


あたしは、力無く首を横に振って俯いた。


「希咲、イイの……?」


あたしからゆっくりと離れた早苗が、眉をグッと寄せて悔しさを滲ませる。


「うん……」


小さく頷いてから、店長に視線を遣った。


「希咲ちゃんはそれでイイの?」


「警察には言わないで下さい……。お願いします……」


呟くように言った後、店長に頭を下げた。