「……立て」


店長の一言で、ドアの前に座り込んでいた金髪の男が立ち上がった。


「入れ」


店長が淡々と促すと、金髪の男はふらついた足取りで中に入って来た。


よく見ると、男の左頬が腫れている。


店長は、後から来たスタッフ達に仕事に戻るように告げてからドアを閉め、入口を塞ぐように立った。


あたしの近くにいた乃依さんが立ち上がって、照明を少しだけ明るくしてからモニターの電源を切った。


その途端、音楽が消えて室内が静かになった。