嫌だったんだ…。


あたしのせいで、凪兄が人を傷付けてしまう事が…。


そんな彼を見るくらいなら、自分が傷付けられた方がずっとマシだと思った。


「お願い、凪兄っ!!もうやめてっ!!」


渾身(コンシン)の力を両腕に込めて叫んだ時、部屋の中に次々と人が入って来た。


「希咲っ!!」


「希咲ちゃんっ!!」


「凪!?ちょっ、やめなさいっ!!」


早苗と乃依さんに続いて入って来た奈緒ちゃんが、叫びながら凪兄の右腕を両手で掴んだ。