「ヤベッ……!すぐに連れ戻すから!」


「大丈夫!」


慌てた金髪の男が朋子を追い掛けようとすると、絵里香がキッパリと言った。


「あの子、いつもオドオドしてるの。だから自分だけ逃げるのが精一杯で、どうせ助けなんて呼べないって」


蔑むように微笑んだ彼女は、泰人を見ながら続けた。


「だから、安心して続けて?」


「まぁ、絵里香がそう言うなら大丈夫か」


ニヤリと笑った泰人は、金髪の男に外で見張りを続けるように指示した後、あたしに視線を戻した。