「ただいま」 俺は久々に自宅の玄関を開けた。 夜の便に乗って、ぐっすり寝てきたから、時差ボケはあまり感じないな。 「おっかえり~!」 テンションの高い兄貴が、引きつった笑顔で俺に抱きつく。 「なんかあったの?」 「お……おふくろを止めてくれ!」 「はぁ?!」 話を聞くと、親父が会社の部下を車で家まで送ったのが母さんにばれて、今しばかれてるらしい。 いつになっても成長しねぇな、家の家族は……