――放心状態。横で携帯が鳴っている。

 相手は間違いなく真里だろう。
 うう……電話出たくないよぉ。
 間違いなく怒られる。

 完全に失敗です。
 全て私の責任です。
 真里が時間通りに終わったのなら
 私のフライング失格と言うところです。
 コールがすでに二十回を越えました。

――仕方ないでの電話を取ります……。

「もしもし……」
「あ、真里ですけど……隼人くん?」

 真里の息遣いが少し荒い。
 どうやらバカ正直にちゃんと一人エッチをこなしてくれたようだ。

――罪悪感に少し胸が痛い。

「う……ごめんなさい……」
「え?私?……じゃあこの方法じゃダメってことかぁ」

 真里の声に落胆が見える。
 そうじゃないんだよなぁ……完全に私の失敗なわけで。
 フォローにならないが……説明しとかないといけないだろうなぁ。

「違う……ごめん」
「ええ?さっきから何を謝ってるの?」

 やっぱり謝るだけじゃ分からないよなぁ……。
 説明しないとダメなんだろうなぁ……。
 絶対に怒られるよなぁ……。

 だって……初めてなんだから仕方ないじゃん。