真っ白な空間。
 本当に何も無い。
 自分の姿すら無い。

 何も無い空間に『私の意識』だけが存在してるようだ。

――消えるって……こういうことなのか。

 真里との『元に戻る方法』を実行した瞬間。
 一気に体が熱くなり、私の意識は遠くなっていった。
 そして、気が付いたらココにいたのだ。

――あーあ、終わっちゃったか。

 そう思っていると――意識だけの存在になった私の中に急に映像が飛び込んできた。

 それは――隼人くんが真里に告白している場面だった。

 ……結果は目出度く二人の気持ちを通じ合えたようだ。

――これで私は安心して消えていける。

 でも――せめて祝福をしてあげたかったな。
 そう思った瞬間。

 いきなり隼人くんが目の前に現れた。
 私が隼人くんの中に入っている間の――魂だけだった時の隼人くんの姿で。