夢のような……現実のような感覚をずっと彷徨っていた。
その夢のような世界の中で、俺は『初めて好きになった人』に体を乗っ取られてしまっていた――。
ある日、本屋で見かけた――眼鏡をかけた地味な女の子。
その子は俺の目の前で数冊の本を抱えたまま豪快にすっ転んだ。
床に散らばる、その女の子が抱えていた本。
BL小説が大多数で、その辺りの感想はどうこう言うつもりは無いけど――たった一冊。
俺が、お袋のゴーストライターとして書いた小説が混ざっていた。
――お、俺の本を買ってくれるんだ。
その時はその程度の印象だったような気がする。
それから何度か同じ本屋で見かけ、その子の持ってる雰囲気に引かれてしまったのかなんとなく気になる存在になっていた。
その興味はどんどんエスカレートしていき、ある時はその子が自宅に戻るまで後を尾けてしまったり。
後を尾けたときに、その子の名前が『佐渡 真里』ということを知った。
でも――元来人と接することが苦手な俺はその子に近付くこともなく、ただ遠くから見守るような日が続いていた――。
――そんなある日のことだ。
その夢のような世界の中で、俺は『初めて好きになった人』に体を乗っ取られてしまっていた――。
ある日、本屋で見かけた――眼鏡をかけた地味な女の子。
その子は俺の目の前で数冊の本を抱えたまま豪快にすっ転んだ。
床に散らばる、その女の子が抱えていた本。
BL小説が大多数で、その辺りの感想はどうこう言うつもりは無いけど――たった一冊。
俺が、お袋のゴーストライターとして書いた小説が混ざっていた。
――お、俺の本を買ってくれるんだ。
その時はその程度の印象だったような気がする。
それから何度か同じ本屋で見かけ、その子の持ってる雰囲気に引かれてしまったのかなんとなく気になる存在になっていた。
その興味はどんどんエスカレートしていき、ある時はその子が自宅に戻るまで後を尾けてしまったり。
後を尾けたときに、その子の名前が『佐渡 真里』ということを知った。
でも――元来人と接することが苦手な俺はその子に近付くこともなく、ただ遠くから見守るような日が続いていた――。
――そんなある日のことだ。