私の感謝タイムを終わらせて、次は本題。

 緊急特集番組!!

『果たして真里の魂の状態やいかに!?』
 それでは解説の歳平さんにお伺いしましょう。

――歳平さん。佐渡 真里さん(十七歳)の魂の状況はいかがでしたか?

「確かに魂が半分ほど抜けてたな」

――予想通りだったわけですね。

「そうだな、自分の意思を持って動けるギリギリの量が残ってたって感じか」

――では、『マリさん』の魂の量はけっこう多い、と?

「いや、明確な定義があるわけじゃないけどな。
人が肉体を動かすのに必要な魂の量は全体の六割くらいが必要なんだよ。
マリちゃんの場合は隼人の体に残ってる魂も利用してるから」

――勝手に拝借、そんな感じですね?

「まあ、隼人の魂に吸い寄せられて、そのままくっついて……そんな感じかな?」

――なるほど……『寄生虫』みたいなモノですか?

「上手いこと言うな。俺が思うにマリちゃんは隼人の『脳』に入ってると思うんだよ。
それで脳から隼人の体に残ってる魂に命令して体を動かしてる。
逆に隼人は脳――この場合は『意思』みたいなもんだがな。
その分の魂が抜け出してあんな状態になってるんだと思う」

――なるほど、会社で言えばトップだけが入れ替わったような状態ですね。

「だから誰が上手いこと言えと……まあ、隼人は魂の上半分が追い出されて、真里ちゃんは縦に半分になっているって感じだな。
一通りのことは出来るんだけど、全てに於いて不十分な部分が出てきてる。
それが昨日の『呆けたような状態』だな」

――『ボケ真里状態』ですね。では、私……いやいや、『マリさん』もそうなる可能性がある……と?

「気が付いてなかったか? 昨日の夕方にずっと『その状態』になってたぜ?」

――ええ!? いや気が付いていませんでした。

「きっと気が抜けたのも影響したんだろうな。それと……真里ちゃんに魂を分けたのが一番の原因かな」

――えー、ここで一旦CMです。

「ん? CMって何だ!?」