「あのさ、二人にお願いがあるの――」

 単刀直入に切り出した。
 どうせ行動がおかしいと思われてるのならば、話に脈絡も必要ないだろう。

「お願い?」
(何のお願いだ?)

 二人して全く同じようなリアクション。
 付き合う前からすでに『似たもの夫婦』そんな雰囲気を醸し出している。

――私が協力するまでも無いよねぇ。

 半ば呆れてしまうような気持ちになる。
 ま、そんなことは置いておいて。
 自分の目的を果たそう。

「あのね、『元に戻った後』の話なんだけどさ――」

 ここまで言って二人の反応を見る。
 二人ともじっと私を見つめて言葉の続きを待っている。
 うん、これなら話しても大丈夫そうだ。

「行って欲しい場所があるの」

 ここで一旦話を止めた。
 二人の反応を確かめておきたかったからだ。