（なあ、お前の様子、何かおかしくね？）

　暗い部屋の中、ベッドに腰掛ける私に隼人くんが尋ねてくる。
　私は答えてあげる気も起きず「さあ？」とだけ短く答える。
　ふと机の方向に視線を移す。

　机の上に充電器に差しっ放しになっていた携帯電話がチカチカと点滅を繰り返していた。
　真里と別れて、家に帰ってからずっと机の上に置きっぱなしだったから昼間からずっと放置していたわけだ。

――ああ、また真里からだったら怒られるな。

　そう思いながら携帯を手に取り、二つ折りのディスプレイを開く。
　表示には『メール着信：５件』の文字。
　横から隼人くんが、

（おい、早く開けよ）

　と急かしてくる。
　ふーん、なんだか昨日までとは態度が違うよねえ。
　真里からのメールを期待しているのであろうことが手に取るように分かる。