「と、まあ。コレがウチの家の『不思議な力の話』なんじゃけどな」

 長い長い話をお祖父ちゃんが締めくくる。
 なるほど、言われてみれば昨夜の私とカズちゃんの行動にそっくりだ。
 手を繋いで、一緒に寝て。
 私はてっきり昨夜見た夢が原因と思っていたが、あの夢もこの『儀式』に似た行動が引き起こしたのかも知れない。

……って、お祖父ちゃん分かってるならなぜ手を繋いで寝る前に教えない!

 イビキかいて寝てる場合じゃないじゃないのさ。
 と、これはヤツ当たり。
 あれだけ長い話を聞かされたんだ、文句の一つだって本当は言いたいさ。

――文句の一つも言いたいから……言ってみよう。

「何でこんな状況になる怖れがあるなら教えてくれなかったの!?」

 自分でもちょっと理不尽な文句だとは思う。
 案の定、お祖父ちゃんは『なんでそんな文句?』といった表情になっている。
 うん、この言葉に関しては苦情はきっちり受け付けますよ。

「教えても何ものお……ワシ寝てもうとったし」

……ですよねー。