「いや、その落ち着いて……な?」

 私はいたって落ち着いてるつもりだ。
 だが――落ち着くのと冷静になるのは話が別だ!

 何で隠すの?この入れ替わっている状況以上に不都合なことでもあるっていうの?
 兎にも角にも洗いざらい事情を話してもらわないと収まりが付かない。

「ちゃーんと落ち着いてるわよ?」

 声の調子はともかくとして、自分の落ち着きっぷりをお祖父ちゃんにアピールする。
 落ち着いてるから話してちょうだい。
 怒らないから……多分。

「その……な、入れ替わった原因というのは……その……多分」

 お祖父ちゃんのあまりの歯切れの悪い言葉に私のイライラは最高潮に達しようとしていた。
 私が再びお祖父ちゃんに喰って掛かりそうになった――その時だ。

「――僕のせいかも……知れないんだよね?」

 カズちゃんがポツリと呟いた。

――へ?カズちゃんのせい?どういうこと?