お祖父ちゃんが持ってきてくれたコップの中の水を一気に飲み干す。
 ふぅ……というため息と共にコップを床に置く。
 とりあえず……少しだけ落ち着いたかな。

 落ち着いたところで――聞かなきゃならないことが山積みだわ。

「お祖父ちゃん……?」

 お祖父ちゃんに呼びかける。
 その声が自分でも隠しきれないほど詰問モードになっていることが分かる。
 何で私とカズちゃんが入れ替わってしまったのか、お祖父ちゃんはその理由が分かっていると言った。
 なのに、一度ははぐらかして朝ご飯に突入させた。

――隠してることを全部話してもらわないとね。

「な、なんでしょ……?」

 私の雰囲気に驚いたのか、なぜか微妙な敬語になっているお祖父ちゃん。
 本当に何も知らない人から見ればさぞかしシュールな光景に見えるだろう。
 だが、そんな事には構わずにお祖父ちゃんへの詰問を開始する。

「――理由を知ってるって、どういうこと?」

 カズちゃんの体を使っているのだが、私の声はもはや小学生のものではない。
 だって、ちょっぴり怒ってますので。
 一刻も早く戻りたいのに!隠してるとは一体どういう了見だ!!