「はい、お茶どうぞ」

――声を聞いた覚えがあったもう一人の人物。

　それは、カズちゃんのお祖父ちゃんだった。
　確か七、八年前にカズちゃんの家に遊びに来ていたような記憶がある……。

「いやー、かすみちゃんも大きくなって美人になって！」

　　差し出されたお茶をすすりながらお祖父ちゃんのお世辞に思わずニヤける。
そんなぁ、美人だなんて……オホホホホ。

……うん、ちゃんと社交辞令だって分かってますよ。

　現在お茶をすすっているこの場所。
　カズちゃんのお祖父ちゃんの家だそうだ。
　感動の再会を果たしたお花畑から歩いて五分くらいの場所にある山小屋。
　ここでカズちゃんとお祖父ちゃんの二人で暮らしているらしい。

　まあ、道に迷っていたとはいえ目的地にはちゃんと近付いていたようだ。
　ドンマイ！私！方向音痴ではなかったみたいだよ！