どうしてこんな非現実的なことが起こっているのか?
 それは分からない、分かりようがない。

 でも、この場所から移動したほうが良いんじゃないのかな?
 混乱しているだけでは状況は何も変わらない。
 そう思った私は一旦冷静になることに努める。

――とりあえず見知らぬ部屋の景色を見回して。

 ベッドの横のタンスの前にかけてある制服に着替えた。
 どこの誰が着ているものか分からないけど、まさか男の子の体とはいえTシャツとトランクスの格好で外出できるはずもない。
 タンスの中にも私服は入ってるんだろうけど、私の記憶が確かならば今日は平日。
 どこの誰だか分からないけど普通の子なら学校に行くよね?
 この見知らぬ誰かの家族に怪しまれては自分の元の体を捜しに外出することさえままならない。

 とにかく着替えなきゃ。

――それには……この股間の突っ張りをなんとかしなきゃ。

 ズボンを履こうにも……邪魔ったらありゃしない!
 そのさ、なんていうか……ビンビンって感じとでもいうのかな? 微妙に痛いような気さえする。

――なんでこんな状態になってるのよぉ……。

 この体の持ち主さんってば、私と入れ替わる前にエッチな夢でも見てたんじゃない!?