でも、私は葛藤していた。
 その質問をするのは……好きな人に『私の他で好きな人がいるの?』と聞くような気分なのだ。
 私は真里だ、そして隼人くんが好きなのは真里なのかもしれない。
 でも、隼人くんが好きなのは私ではないような気がする。

 もう少ししたら真里が戻ってきてしまう。
 勇気を出して……質問しなきゃ。
 大きく息を吸い。
 その息を吐き出すと同時に声をかける。

「――ねえ、隼人くん」
(だから、なんだよ?)

――く! ここで踏ん張れ! 私! 勇気出せ!!!!!!!

「私、何かもの足りないから他の物買ってくるね」
(おお、腹が減ってるんなら何でも買ってこい)

――スイマセン、心の底からヘタレです。