お母さんは、私に話して少し安心したのか、今後の事を事務所の人達と話してる。
私は、まだ、現実として受けとる事ができず、なんだかドラマの1シーンの様な気さえしていた。
明日になったら、いつも通りの朝が来る様な…。

1人、無気力にベッドの足元に座っていたら、片桐さんが寝室を覗き込み

片桐「さっちゃん、お腹すいてない?」

私は、横に首を振った。

片桐さんは、私の前にしゃがみ込み

片桐「言ったでしょ?みんなでさっちゃんを守るって、だからさっちゃんは、何も心配しなくていいの。それよりさっちゃんが、具合悪くなったりしたら、みんな悲しいなぁ。私達は皆、さっちゃんの事が大好きなんだから、ねっ!好きな物買ってきてあげる。何がいい?」

私は、甘えちゃいけない。落ち込んでいては、皆が悲しむ。
そう思っていたら、寝室での会話を聞いていた社長が、

社長「さっちゃん、私と一緒に食事に行こう!」

その言葉に、皆びっくりして、

片桐「でも、社長、今さっちゃんが、ここに居るのがわかったら、マスコミが詰めかけます!」

社長「大丈夫だよ、今日は孫と食事に行くおじいちゃんの役で、自然に演じていれば、きっと誰にも気付かれない?」

そう言って、社長は私にウイングしてみせた。

社長「片桐、最上階のレストラン、いつもの席を用意させとけ。」

片桐「はい。」