「モカが一ツ橋学園行ってるって言ったら、会社の人にお願いされちゃって!うちからも割と近いし、いいでしょ?」

ほらこの家、と地図を指差している。


「だからって…。お母さん、私の学力が不安定なの知ってるでしょ?」


確かに一ツ橋学園は、中・高・大と偏差値の高い難関校だと有名だけど、私が入れたのはまぐれだとしか言えない。

大学に進学できたのだって、根気よく勉強を教えてくれた和泉君のおかげだ。


自分の学力が信用できないのだ。