「和泉君、どうしたの?」

「あぁ、ちょっと…」

座ったまま隣に立っている和泉君を見上げると、その顔は少しだけ不機嫌そうだった。

おそらく、女の子が多すぎるから居心地が悪いんだろう。ここに来るまでに、いろいろ声をかけられたんだと思う。


「場所変えるぞ」

「う、うん、そうだね…」

大いに賛成だ。こんな所じゃ落ち着いて話せない。


和泉君は私の手を引いて、この場所から早く出ようといった感じで、スタスタと足早に歩き始めた。




なんだか、もの凄く見られている…。


ヒソヒソザワザワと突き刺さるような視線を感じながら、和泉君と一緒にカフェテリアを出た。