「和泉君…?何か、怒ってる?」

「怒ってるというより、気に入らない」

「……気に入らない?」

不安げに瞳を揺らしているモカを引き寄せ、ギュッと強く抱き締めた。


「……兄貴、格好よかった?」

「え?」

「赤い顔して兄貴を見てたから」

「い、いや!和泉君に似てたから、ちょっとビックリしちゃって…!!」


「他の男なんて見るな」

「他の男って!!お兄さんでしょ!?」


例え身内でも、モカが俺以外の男を見ているのは気に入らない。

モカが戸惑っているのは気付いていたが、さらにギュッと強く抱き締めた。




自分でも分かっている。考えすぎだと。

それでも、モカに対する想いは強くなる一方で、止まらない。