「いいじゃねえか。弟の彼女だと思ったら可愛くて可愛くて。そんなに怒るなよ」

そう言いながら、まだニコニコとモカを見つめている。

モカも赤い顔をしながら、どうすればいいのか分からないといった表情になっている。



「あんまり見るな」

モカを背後に隠しながら兄貴に向かった。


「もったいぶんなよ、和泉」

「うるさい」

「おおコワ。ったく…。モカちゃん、こんな弟を選んでくれてありがとね」

「い、いえそんな!!」

「モカもいちいち兄貴に照れるな」

「そんなつもりじゃ…!!」

「和泉、相当心が狭いな。モカちゃんもビビッてんだろ」


呆れ気味に呟く兄貴を無視し、モカをムリヤリ連れて自分の部屋に戻った。